ルーマニアのパリンカ(Pălincă)
Romanian Palinca
ワイン以外にもルーマニアの豊かな自然の力によって造られた、大変面白い伝統的なお酒が多くある。特にルーマニアの蒸留酒が最近注目を浴びている。ルーマニアの代表的な蒸留酒は「ツイカ」、「ホリンカ」と「パリンカ」。
パリンカとは
パリンカはプラムだけでなく、様々なフルーツの発酵と蒸溜によって造られたルーマニアの伝統的なアルコール飲料。認められているフルーツは:プラム、ミラベル、りんご、ラズベリー、ブラックベリー、アプリコット、桃、洋梨、フサスグリ、ブラックカラント、スコア、長老、マルメロとジュニパーベリー。発酵は木の樽またはステンレスタンクで行わなければならない(他の資材は禁止)。蒸溜は銅のボイラー又は国が認めた蒸溜設備で行わなければならない。蒸溜後のパリンカの香りと味わいはそれぞれの果実の特徴的な香りと味わいを持たなければならない。熟成も可能だが、木樽熟成、瓶内熟成又はステンレスタンク熟成のみ認められている(他の素材の樽や容器が禁じられている)。アルコール度数は40度以上でなければならない。パリンカの材料は果実だけで、他の材料の利用は禁止(甘味料、香料、着色料などの使用が禁止)。全てのパリンカは地理的表示パリンカでなければならない。パリンカが造られる地方はトランシルヴァニア、バナット、クリシャーナとマラムレシュのみである。
パリンカの飲み方
欧州では、イタリアのグラッパやフランスのカルヴァドスと同じ飲み方だが、ストレートのままショットグラスに注ぎ、一度で飲み干す飲み方も一般的。基本的には食後に飲み、食事の消化にも良いとされる。アルコール度数が比較的に高いため、1日50ml以下が適量とされている。ブランデーのようにロックで飲まれることもあるが、水割りやお湯割の習慣はない。
エターナル
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スピリット オヴ
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ポーション オヴ
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ヨーロッパの伝統蒸留酒について
ルーマニアのパリンカ、ツイカとホリンカはフランスのカルヴァドスやイタリアのグラッパと同様で、「伝統蒸留酒」としてEU(欧州連合)に認められ、EU諸国、米国、南米やカナダなどではアルコール飲料として販売されている。欧州連合の蒸留酒に関する法律が2008年に更新され、「伝統蒸留酒」の法的な枠組みがより明確になりました。しかし、日本国内では、蒸留酒に関する法律が昭和29年(1954年)に定められ、「伝統蒸留酒」という法的な枠組みはない。又、蒸留酒に含まれているメチルアルコールの量に関する規定も異なる(EUは5mg/Lまで認められているが、日本では1mg/L以上は認められていない)。したがって、ヨーロッパの伝統蒸留酒の位置付けは明確にされず、「アルコール飲料」としての輸入は困難である。しかし、「製菓用ブランデー」というカテゴリーで輸入が認められているため、手に入ることは可能ですが、通常のアルコール飲料として消費することができない。